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法定相続情報証明制度について

2017.08.20

登記等の各種相続手続きの促進を目的として、平成29年5月29日から、全国の法務局(登記所)において、法定相続情報証明制度がスタートしました。

 

法定相続情報証明制度とは、法定相続人または代理人が下記書類を法務局に提出することにより、法定相続人が誰であるかを明確にした法定相続情報一覧図の証明書(以下「法定相続情報証明書」という。)の交付を無料で受けることができる制度です。

(提出書類)

1.法定相続人の確認に必要な戸籍謄本、原戸籍謄本、除籍謄本(以下「戸除籍謄本」という。)

※法務局登記官の確認後、原本は返却されます。

 

2.法定相続情報一覧図

※法定相続人または代理人が作成(様式や記載例は法務局ホームページをご参照下さい。)し、法務局登記官による審査を受けた後、原本は法務局に保管され、写しが法定相続情報証明書として交付されます。

 

これまで、各種相続手続きの際には、法務局(相続登記や表題部登記)、金融機関(口座の解約や払い戻し)、証券会社(名義変更や払い戻し)陸運局(自動車の名義変更)等の複数の提出先毎に、戸除籍謄本の束を提出しなければいけませんでしたが、その代わりに、法務局が発行する法定相続情報証明書を提出することで、相続の手続きを済ませることができるようになりました。

 特に、戸除籍謄本の通数が多い場合や、相続手続きの提出先が多い場合は、法定相続情報証明書の活用により、費用の節約と事務作業の軽減が期待できます。

反対に、戸除籍謄本の通数が少ない場合や、提出先が少ない場合は、従来通り、戸除籍謄本を提出する方法によって手続きを行う方が簡単かもしれません。

 注意点としては、戸除籍謄本に記載のない相続欠格や相続放棄等の情報は法定相続情報証明書に記載されないため、もし、法定相続人の中に相続放棄をした方がいる場合には、各提出先に対して、家庭裁判所が発行する相続放棄申述受理証明書を法定相続情報証明書とあわせて提出する必要があります。

同様に、遺産分割協議等の内容も法定相続情報証明書に記載されませんので、法定相続分と異なる内容の相続手続きをするときは、遺産分割協議書や印鑑証明書等の提出が必要となることがあります。

 また、各種相続手続きの提出書類の有効期限を各提出先が独自に定めている場合もありますので、法定相続情報証明書を取得した後は、早めの手続きをお勧め致します。

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酒井 謙次
酒井司法書士事務所 所長

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