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固定資産税の落とし穴!
2018年05月01日

 こんにちは!税理士の太田圭子です。久しぶりにレポートを担当することとなりました。これから約3カ月に一回程度のペースで皆さまに役立つ税の情報を分かり易く提供していきたいと思います!

 

 さて、不動産オーナーの皆さまのもとには先月上旬に固定資産税の納付書が届いていますね。税額が跳ね上がってびっくりしている方も多いのではないでしょうか?

 平成30年度は3年に一度の評価替えの年、ここ数年の地価の上昇が評価額に反映され、軒並み固定資産税が増税となっているようです。

 

1.固定資産税が6倍になった!?

 これは実際にあった失敗例です。いくら地価が上昇しているとはいっても考えられない増加です。このオーナーさんに何が起こったのか解説します

 

2.住宅用地の特例

 6倍でピンとくる方も多いかもしれませんね。固定資産税には「住宅用地の特例」というものがあり、住宅が建っている土地の場合は一戸につき200㎡までの固定資産税が6分の1に軽減されます。 

 

3.適用判定は11日時点

 この特例が使えるかどうかは11日時点で土地の上に住宅が建っているかどうかで判定されます。ここがポイントです。建築中の建物は住宅とは認められないため、例えば古い貸家を取り壊して賃貸マンションに建て替える場合などは注意が必要です

 

4.通常の建て替えならば大丈夫

 建て替えの場合、11日時点で建築に着工していることや、建て替えの前後で所有者が同じ(またはもとの所有者の親族)であることなど、一定の要件を満たせば、例え11日時点で建物が未完成でも住宅用地の特例を適用することができます

 

5.ではなぜ6倍になってしまったのか?

 実は建て替え前と後で建物の所有者が変わっていたのが原因でした。このオーナーさんは、自己所有のアパートを取り壊し、ご自身が出資して設立した会社名義で賃貸マンションを建設していたのです。たとえ自分の会社であっても、固定資産税の課税上は所有者が変わったと判断されるので、残念ながら住宅用地の特例は適用されず、固定資産税が6倍になってしまったのです。

 

6.まとめ

不動産オーナーが会社を作って建物を所有すること自体は多くの場合、節税メリットが期待できます。今回のケースは建物の取り壊しのタイミングなどちょっとしたことを工夫すれば避けられる失敗でした。その後賃貸マンションが完成すれば、また特例が使えて固定資産税は6分の1に戻りますが、1年分だけでも勿体ないですね。

 法人なりのプランは思わぬ落とし穴があることも!専門家に相談し、じっくり検討することが必要です。

 

7.最後に一言

 30年度の評価替えで固定資産が増税になり、評価額について不服がある場合には、審査の申出をすることができます。申出期間は通常4月から6月までの間です。経験上、審査申出をしても、固定資産税が下がることは稀ですが、ご自分の所有する不動産が固定資産税の課税上どのように評価されているのかを知ることができます。詳しくは各市町村のホームページなどでご確認ください。

 

筆者紹介

太田 圭子
税理士法人田﨑・太田事務所
税理士

大事な家族を亡くしてから10カ月という期間で申告しなければならない相続税。改正により今後相続税の申告をしなければならない人は増える見込みです。相続税は生前の対策、遺産分割の方法、そして財産の評価方法によって大きく税金が変わってきます。そして相続は相続税だけではなく、財産を相続した人のその後の所得税や消費税、そして無くなった方が法人経営者だった場合などには法人税にも大きく影響を及ぼします。専門家として相続にまつわる税金の悩みを解決するのが私の仕事です。不安を感じている方からお話を聞いて最善の解決策を御提案できれば幸いです。メールマガジンではできるだけ専門用語を使わずわかりやすくて身近な税に関する情報を記事にしていこうと思います。